為替レートの変動率(差分)の分布が研究の対象になることは多いようですが、その前に、このページではレートの滞在分布を調べます。使うデータは20年分(2001年3月~2021年2月)のドル円1分足(終値)です。まず、この20年間のレート変化を見てみます。
ここ数年の変動は比較的穏やかですが、今後どちらに向かうのか微妙な位置と言えそうです。次の図に、このレートのヒストグラムを示します。縦軸は各レートの滞在時間を表します。110円付近に最も大きな山があり、110円前後を頻繁に訪れたことになります。たまたまですが、現在(2021/3/16)は109.2円付近で、このヒストグラムのピークに位置します。80円、90円、120円、130円付近にもピークがあり、こうした節目のレートで長時間滞在しながら方向を探っているのかもしれません。一方、100円付近は極小値に見えます。100円前後はストップが集中するような大節目で、寄り付きにくいことを反映しているのでしょうか。
次に、小数点以下(銭の桁)の分布を調べてみます。頻度は一定ではなく。0銭と50銭付近の滞在確率が明らかに低く、ピークの頻度よりも数割も低くなっています。こうしたレートの前後では注文が多く、壁になったり、動きを加速させる結果、滞在時間が短いと考えられます。また、10銭刻みで極小値になる傾向も見られます。ユーロドルでは、この10pip毎の極小が更に顕著です。
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